artscapeレビュー

YKKの関連施設

2014年09月15日号

[富山県]

黒部にて、YKKの関連施設を見学する。槇文彦の《前沢ガーデンハウス》(1983)は、当時のポストモダン色も少し入っているが、30年以上たっても古びれていないことに感心させられた(1983)。槇事務所の系列では、大野秀敏や宮崎浩らもYKKの施設やリノベーションを手がける。ほかにヘルマン・ヘルツベルハーの国内唯一の作品《YKKの黒部寮》(1998)、teonksによるオランダ派的な造形の《黒部堀切寮》(1999)、マンジャロッティ・アソシエイツの基本設計による《レセプションハウス》(2014)など、興味深い作品が多い。そして《レセプションハウス》において、ヤギ牧場でとれた美味しいチーズをいただく。ちなみに、黒部はYKKの関連施設以外でも、新居千秋の《黒部市国際文化センター「コラーレ」》(1994)、ロン・ヘロン、長谷川逸子、栗生明、アルセッドらによる公共施設が点在しており、地方の町とは思えない相当な建築密度である。


槇文彦《前沢ガーデンハウス》



大野秀敏+吉田明弘/アプルデザインワークショップ《YKK健康管理センター》



ヘルマン・ヘルツベルハー《YKKの黒部寮》



teonks《黒部堀切寮》



マンジャロッティ・アソシエイツ《レセプションハウス》





上記2点 新居千秋《黒部市国際文化センター「コラーレ」》



長谷川逸子《黒部特別養護老人ホーム》

2014/08/07(木)(五十嵐太郎)

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