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もうひとつの美術館、「いえとまちのかたち」、スペシャルトーク「いえとまち、コミュニケートのかたち」

2014年09月15日号

会期:2014/06/14~2014/08/31

もうひとつの美術館[栃木県]

栃木県那珂川町のもうひとつの美術館(2001年開館)へ。廃校になった木造の校舎を転用し、アール・ブリュットを専門に展示する、日本では最初期の施設である。校庭には盆踊り大会の櫓がまだ残り、今も地域の集まりの場所だということがうかがえる。「いえとまちのかたち」展は、建築的な絵画を中心とし、やはり家型のイメージが強い作品が少なくない。カラフルな色彩、まっすぐでない線、時代の流行に影響を受けないことから作家の世代がわからないことが特徴である。とくに50枚展示された掘田哲明の絵画が凄い。30年間、1000枚の絵を描き続け、一見どれも同じ家型の反復なのだが、よく見るとすべての家が違うのだ。

写真 展示風景 掘田哲明《家》

2014/08/16(土)(五十嵐太郎)

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