artscapeレビュー
UNKNOWNS 2014──ART×CRITICISM
2014年09月15日号
会期:2014/08/18~2014/08/23
藍画廊+ギャラリー現[東京都]
東京造形大学の近藤昌美と慶応義塾大学の近藤幸夫というふたりの近藤先生を軸に、3年前から毎年開かれている企画展。今年2月に慶応の近藤先生が亡くなり、和田菜穂子先生に代わったが、造形の学生の作品に慶応の学生が批評(作品解説)をつけるというスタイルは変わらない。出品は藍画廊3人にギャラリー現1人の計4人。作品は表現主義的な抽象絵画が多く、人物や動植物のイメージの断片を組み込んだものもあり、やっぱり近藤昌美の影響が色濃い。対する批評のほうは計13人。制作現場を訪れ、作者にインタビューしただけあって、どの文章もなにが描かれてあるか、なぜこのような絵になったかを探り、作者自身の言葉を引きながらていねいに解説している。ただそれだけに近視眼的になりかねず、その作品が現代において、あるいは美術史のなかでどのような位置づけになるかまでは言及されてない。ギョーカイ人としてはいささかものたりなさを感じるけど、一般人向けにはこのほうがいいのかも。
2014/08/18(月)(村田真)