2019年09月15日号
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artscapeレビュー

村野藤吾──やわらかな建築とインテリア

2014年11月01日号

会期:2014/09/03~2014/10/13

大阪歴史博物館[大阪府]

大阪を拠点に活躍した建築家・村野藤吾(1891-1984)の作品と人物の魅力を、家具・設計図・建築部材・彼の愛用品・建築のパネル展示等、およそ200点を通じて紹介した展覧会。今年は村野の没後30年にあたる。本展を通覧すると、その活動期間の長さを考えてもなお、とりわけ関西の都市街にいかに村野建築が多く貢献を成したか改めて実感される。同時に、当時の潮流「モダニズム」から一歩離れ、独自の創造的世界を追求した村野の姿が描かれる。それは、主要な百貨店やホテルの商業・宿泊施設等の内装・細部の仕事に顕著に見られるだろう。展示された実物や写真、例えば階段手すりの波打つカーヴや星をちりばめた天井等、その繊細でいて幻想的な芸術的効果は観者の感覚に強く訴えかける。本展でもっとも際立っていたのは、家具デザインの品々。喫茶《心斎橋プランタン》の椅子や衝立の柔らかな曲線と華奢な形、さまざまな材質を組み合わせて用いる面白さと彼の仕事の徹底ぶりには、強く魅入られた。そのほかの椅子群、傘立てや照明器具も多様性に満ちて興味深く、村野の人となりまで感じられるようだった。[竹内有子]

2014/10/04(土)(SYNK)

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