artscapeレビュー
田中真吾 個展「す あ。ラ 火 ─ 見 極」
2014年11月01日号
会期:2014/10/03~2014/10/31
eN arts[京都府]
炎を題材あるいは素材にした作品で知られる田中真吾の新作展。着色した合板をラフに引きちぎる、炎で炙るなどした後、それらと焼け焦げた角材、炎で溶かされたビニールなどを組み合わせて構築した作品を発表した。これまでの彼の作品は主に紙を素材にしており、色合いも白と黒(焼け焦げた痕跡)の2色だった。色彩を得ると同時に立体コラージュのような様相を呈した新作は、多くの人に驚きをもって迎えられるだろう。筆者はこれまでに何度も彼の個展を見てきたが、失望を味わったことがない。展覧会のたびに着実な進化を遂げる田中は、野球でいえばイチローや青木宣親のようなアベレージヒッターと言えるだろう。
2014/10/03(金)(小吹隆文)