artscapeレビュー
こども展──名画にみるこどもと画家の絆
2014年11月01日号
会期:2014/07/19~2014/10/13
大阪市立美術館[大阪府]
鑑賞後、幸せな気分になる展覧会はそれほど多くないけれども、本展はその稀有な例。フランスのオランジュリー美術館で開催された展覧会を再構成し、19-20世紀に活躍した47人の画家たちの「子ども」をモデルにした作品86点を集めたもの。近代絵画の巨匠たちの日本初公開の作品が多いのも見どころのひとつ。「序章」ではおもに新古典主義の画家たち、「第1章:家族」では家族の絆をテーマとした作品、「第2章:模範的な子どもたち」では成長過程にある子どもの多様な姿を捉えた作品を扱い、「第3章:印象派」「第4章:ポスト印象派とナビ派」「第5章:フォーヴィスムとキュビスム」「第6章:20世紀のレアリスト」では、それぞれの前衛運動の主要な画家たちの作品群を見ることができる。作家とモデルの間の親密な空気、描かれた子どもたちのこちらを見返す無邪気でいきいきとした個性溢れる眼差しに強く魅了される。画家のモデル/子どもに対する愛情・温かい視線がダイレクトに伝わり、多くの鑑賞者にほほ笑みをもたらしていた。[竹内有子]
2014/10/04(土)(SYNK)