2019年07月15日号
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artscapeレビュー

国宝 鳥獣戯画と高山寺

2014年11月01日号

会期:2014/10/07~2014/11/24

京都国立博物館[京都府]

ウサギとカエルが遊戯する場面などで知られ、マンガの元祖ともいわれる、国宝《鳥獣人物戯画》。その保存修理が完成したことを記念して開催されているのが本展だ。甲乙丙丁の全4巻が一堂に揃うのは、京都国立博物館では33年ぶりとのこと。一部の巻は、元々は料紙の表と裏に描かれていたものを後世に剥がして巻物に仕立てていたなど、保存修理で得た新知見ももれなく紹介されている。ただ、絵巻物は覗き込む姿勢で鑑賞するので、込み合う展示室で心ゆくまで鑑賞するのは不可能に近い。本展では大型パネルを大量に用意し、行列待ちの間に解説を読んでもらうよう工夫をしていたが、そろそろ新たな展示法に移行すべきではなかろうか。例えば、作品本体の展示に加え、デジタルアーカイブした高精細画像を大型モニターに映し出すのである。これならば、クローズアップやスクロールが自由だし、画面に文字情報を載せて解説を行なうことができる。行列待ちの時間もむしろ楽めるのではなかろうか。もちろん、費用や著作権等の問題が多々あることは承知しているが、技術的にはすでに可能であろう。なお、本展では《鳥獣人物戯画》4巻以外にも、同作の所蔵元である高山寺の中興の祖、西行ゆかりの文化財も多数展示されている。

2014/10/06(月)(小吹隆文)

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