2019年11月15日号
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artscapeレビュー

記憶の遠近術 篠山紀信、横尾忠則を撮る

2014年11月01日号

会期:2014/10/11~2015/01/04

横尾忠則現代美術館[兵庫県]

2012年11月の開館以来、7つの企画展を開催してきた横尾忠則現代美術館。8つ目となる本展で、初めて横尾以外の作家が主役となった。本展の作品は1968年から70年代半ばにかけて写真家の篠山紀信が撮影したもの。当初は横尾と彼に影響を与えた人物の2ショットで、相手のキャラクターに合わせて演出が施されていた。しかし、1970年に横尾が兵庫県西脇市に帰郷した際に、友人、知人、恩師、身内らとフレームに収まったことから作風が変化し、2人にとって重要な転換点になったという。篠山はそれまでのつくり込んだ作風から自然体のスナップショットへ、横尾はスピリチュアルな世界に傾倒し始めたのだ。昭和の著名人たちが写った写真は時代の息吹きを生々しく留め、西脇での写真はどこかほのぼのとした風情が心地よい。巨大にプリントされた写真作品が持つ力を再確認できたのも収穫だった。

2014/10/10(金)(小吹隆文)

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