artscapeレビュー

カタログ&ブックス | 2020年8月1日号[近刊編]

2020年08月01日号

展覧会カタログ、アートやデザインにまつわる近刊書籍をartscape編集部が紹介します。
※hontoサイトで販売中の書籍は、紹介文末尾の[hontoウェブサイト]からhontoへリンクされます





開校100年 きたれ、バウハウス —造形教育の基礎—

監修:深川雅文、杣田佳穂
執筆:長田謙一、杣田佳穂、宮島久雄、利光功、貞包博幸、柏木 博、冨田英夫、木村理恵子、深川雅文、長谷川新、下村朝香、梅宮弘光、常見美紀子、川谷承子、高橋麻帆、橘美貴、星野立子、牧野裕二
編集:深川雅文、杣田佳穂、下村朝香、成相肇、市川飛砂(株式会社アートインプレッション)
デザイン:NOSIGNER
翻訳:原田明和
発行:株式会社アートインプレッション
発行日:2019年
定価:2,128円(税込)
サイズ:220x220mm、264ページ

本図録は、バウハウス創設100年の節目を迎え、展覧会の内容を解説とともに収録するとともに、バウハウスに関するさまざまなテーマについて今日の研究成果を反映した論文の集成に力点を置いています。併せて、バウハウスの基本文献として三つの重要原典の翻訳を収録しています。 

ART in LIFE,LIFE and BEAUTY

編集:池田芙美、佐々木康之、宮田悠衣(以上、サントリー美術館)
英訳:エリザベス・ティンズリー
デザイン:高岡健太郎(日本写真印刷コミュニケーション株式会社)
発行:サントリー美術館
発行日:2020年7月22日
定価:2,500円(税込)
サイズ:B5変形、268ページ

2020年7月22日~9月13日までサントリー美術館で開催されている「リニューアル・オープン記念展 Ⅰ ART in LIFE, LIFE and BEAUTY」展のカタログ。「生活の中の美(Art in Life)」基本理念に展示・収集活動を行なってきた同館のコレクションと、古美術に造詣の深い現代作家の山口晃、彦十蒔絵・若宮隆志、山本太郎、野口哲哉の作品をクロスさせた特別展示。

没入と演劇性 ディドロの時代の絵画と観者

著者:マイケル・フリード
訳者:伊藤亜紗
発行:水声社
発行日:2020年7月28日
定価:5,000円(税抜)
サイズ:A5判、374ページ

観者の存在を前提とするミニマリズム作品を批判した概念として名高い「演劇性」は、18世紀のフランス絵画の成立条件に関わる根本的な問題として登場した。画家たちの様々な試みを見るとともに、ディドロに代表される当時の美術批評家の言説を読み解きながら、いかにして観者という存在のあり方が問題視されるようになったのか、その理論的枠組を大胆に提示する。

げいさい

著者:会田誠
発行:文藝春秋
発行日:2020年8月6日
定価:1,800円(税抜)
サイズ:四六判、320ページ

まさに鬼才。
過激に、独創的に、第一線を走り続けてきた現代美術家、会田誠。
その活躍は、いまホットな美術界だけにとどまりません。
「とにかく信じられないくらい文章がうまい。ほれぼれしちゃう」と、吉本ばななに言わしめたエッセイ。高橋源一郎、斎藤美奈子らが激賞した処女小説『青春と変態』。そんな会田誠が、最初の構想より30年以上、執筆に4年の歳月を費やした長編小説です。

未練の幽霊と怪物 挫波/敦賀

著者:岡田利規
発行:白水社
発行日:2020年8月3日
定価:2,400円(税抜)
サイズ:四六判、140ページ

東京オリンピック2020招致のため、2012年に新国立競技場の設計者としてコンペで選ばれた天才建築家ザハ・ハディド。その圧倒的な造形のビジョンを白紙撤回され、その後ほどなく没した彼女をシテとして描く「挫波」。夢のエネルギー計画のため、1985年の着工以来一兆円を超す巨額の資金が投じられたものの、一度も正式稼動することなく、廃炉の道をたどる高速増殖炉もんじゅについて謡う「敦賀」。
表題作二曲のほか、夢幻能と間狂言に今日的なキャラクター(六本木駅に現れる金融トレーダーの幽霊、都庁前駅に現れるフェミニズムの幽霊、『ハムレット』のせりふを覚える舞台女優)を登場させ、資本主義に飲み込まれている現代日本の姿を描いた「NŌ THEATER」とともに、演劇論(「幽霊はアレルギー症状を引き起こさない」、「能は世界を刷新する」)を併録する。

テレビジョン テクノロジーと文化の形成

著者:レイモンド・ウィリアム
訳者:木村茂雄、山田雄三
発行:ミネルヴァ書房
発行日:2020年8月4日
定価:3,500円(税抜)
サイズ:四六判、290ページ

テレビというメディアは、それまでに普及したメディア(新聞、討論、広告など)にない、まったく新しい人的コミュニケーションをもたらした。本書は、実例を通じた精緻な分析により、テレビが与えた変化とはなにかをを問うものである。カルチュラル・スタディーズにおけるテレビ論の古典、待望の翻訳。(原書 Raymond Williams,Television:Technology and Cultural Form,2nd.ed.,Routledge,1990[Routledge Classics, 2003])

京都発・庭の歴史

著者:今江秀史
発行:世界思想社
発行日:2020年7月31日
定価:2,400円(税抜)
サイズ:四六判、232ページ

文化財保護に長年携わってきた哲学研究者が、平安から現代までの千年をガイド。
見た目や美しさだけではなく、知られざる使われ方に注目し、現場ならではの視点から解説する。
庭は単なる鑑賞物ではない。
千年以上ものあいだ、庭ではいったい何が行われてきたのか?

建築のことばを探す 多木浩二の建築写真

写真:多木浩二
文章:多木浩二、今福龍太
デザイン:高室湧人
発行:建築の建築
発行日:2020年7月14日
定価:6,000円(税抜)
サイズ:303x207mm、256ページ

本書編者のアーティスト・飯沼珠実が、本書刊行までにみつけた多木の建築写真は12,000コマを数え、収録写真の半数以上が、撮影から50年前後のときを経て、本書において初めて発表されます。
写真は被写体の竣工年順に並べられ、建築作品の基本情報に加え、本書デザイナー・高室湧人が描きおこした図面に、多木の撮影地点をプロットした資料が添えられます。さらに2本のテキスト、多木が篠山紀信写真集『家 Meaning of the House』(潮出版, 1975)に寄せた28編のエッセイのひとつ「家のことば」と、文化人類学者・今福龍太の書き下ろし「家々は海深く消え去りぬ 多木浩二の『反-建築写真』」を収録します。





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2020/08/01(土)(artscape編集部)

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