2021年09月15日号
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artscapeレビュー

佐伯慎亮『挨拶』

2009年12月01日号

会期:2009/10/17~2009/11/21

FUKUGAN GALLERY[大阪府]

最近は写真だけでなく映画の撮影も担当するなど、ますます評価と活動の幅を広げている佐伯慎亮。作品集の発売を記念した本展では、過去の作品からセレクトされた大量の作品が画廊壁面を取り囲むように展示された。いわばベスト・オブ・佐伯だ。喜び、悲しみ、怒り、笑い、生と死など、この世で遭遇するありとあらゆる感情・体験を丸ごと飲み込んで吐き出したかのような彼の作品は、一言でタイプをくくり切れない混沌が大きな特徴だ。そして、作品に身を浸すうちに、身体の内からポジティブなパワーがふつふつと湧いてくる。この汚濁と清浄が一体化したかのような感覚こそ佐伯作品の最大の魅力ではなかろうか。作品を見るうち、泥の中から開花する蓮の姿を連想した。

2009/11/13(小吹隆文)

2009年12月01日号の
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