artscapeレビュー
清方/kiyokata ノスタルジア
2009年12月01日号
会期:2009/11/18~2010/01/11
サントリー美術館[東京都]
「最後の絵師」といわれることが多い鏑木清方の展覧会。代名詞ともいえる美人画のほか、スケッチや絵筆、イーゼル、そして清方が親しんでいたという風俗画などが展示された。清方といえば透き通るような白い肌と着物の絵柄を克明に描き出す高度な描写力だが、今回改めて思い知ったのは背景の処理のうまさ。色の濃淡を巧みに使い分けることで人物の輪郭や身体の所作を浮かび上がらせ、結果として人物像をよりいっそう効果的に引き立てることになっている。図録の装丁もじつに美しい仕上がり。
2009/11/17(福住廉)
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