artscapeレビュー

休符だらけの音楽装置

2009年12月01日号

会期:2009/10/10~2009/11/03

旧千代田区立練成中学校[東京都]

旧中学校の屋上運動場で催された展覧会。大友良英をはじめ、伊東篤宏、梅田哲也、Sachiko M、堀尾寛太、毛利悠子、山川冬樹が広い会場に作品を点在させた。キャプションもハンドアウトもなかったので、どれが誰の作品かは判別しなかったけれど、全体的に共通していたのは、ひそやかな佇まい。オブジェをわずかに運動させたり、光を時折明滅させたり、小さな音を発したり、巨大な装置を派手に動かすスペクタクルなアートとは対照的に、大切な宝物を手のひらでそっと包み込むような、ナイーヴな感性が通底していたようだ。美術にかぎらず、音楽や映像など文化全般に及ぶ、ゼロ年代の大きな潮流のひとつである「ひそやか系」が一堂に会した展覧会だった。

2009/11/2(福住廉)

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