2021年09月15日号
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artscapeレビュー

皇室の名宝──日本美の華

2009年12月01日号

会期:2009/10/06~2009/11/29

東京国立博物館平成館[東京都]

皇室に伝わる御物や宮内庁が所蔵する名品を公開する展覧会。狩野永徳の《唐獅子図屏風》をはじめ、横山大観の《朝陽霊峰》、上村松園の《雪月花》、川之邊一朝の《菊蒔絵螺鈿棚》など名宝がずらりと並んだ展観は壮観だ。なかでも圧巻だったのが、伊藤若冲の《動植綵絵》。一挙に並べられた三十幅を立て続けに見ていくと、緻密というかむしろ執拗に描きこまれた絵にぐいぐい引き込まれていく。そうした偏執的な絵が日本美を物語っているのは間違いないのだろうが、視点を切り換えてみると、そもそも食い入るように若冲の絵を見ている群集の光景そのものがいかにも日本的であり、この雑踏のなかから日本美が生まれてくるのだろう。

2009/10/21(福住廉)

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