artscapeレビュー
2010年11月15日号のレビュー/プレビュー
プレビュー:天野裕氏写真集『Rirutuji』発刊記念全国ツアー鋭漂(えいひょう)in 関西
塩竈フォトフェスティバル2009の大賞受賞者、天野裕氏が初写真集『Rirutuji(リルトゥージ)』を携えて自ら全国を巡るツアー。どこであっても、写真集一冊があれば伝えることができるという信念のもと、一般の書店では販売を行なわず、既存の流通とは異なる独自の発信法を求めて、今後も全国をまわる予定だという。写真店や喫茶店、花屋などが会場となった 最初のツアー開催地、東北。塩竈では写真店の暗室に自らの仕事場を再現し、ライトひとつだけの灯りで、机の上に置かれた写真集を鑑賞するシチュエーションがつくられたという。関西ではどんな鑑賞空間になるのか、写真集や本人もさることながら、作品鑑賞環境が毎回異なるという点でも興味を惹かれる。
*大阪会場:11月27日(土)@BAR SOLT(ソルト)
大阪府高槻市高槻町20-19-3F
12:00~22:00
*三重会場:11月28日(日)@アルケミスタコーヒー
三重県四日市市安島1丁目7-15 BONビル2F
2010/11/15(月)(酒井千穂)
プレビュー:石内都「ひろしまsix」
会期:2010/11/13~2010/12/18
2008年に広島市現代美術館でスタートした「ひろしま」。その展示と写真集『ひろしま』で第50回毎日芸術賞を受賞した石内都の関西では5年ぶりの展覧会。今展はこれまでに開催されたなかではもっとも小さな会場だが、ひろしまの遺品を撮影した写真のなかでも、2010年に制作された新作を中心に展示される。持ち主を喪って65年を超えて存在する遺品たち。その存在感を石内の写真によって改めて感じる機会となるだろう。
2010/11/15(月)(酒井千穂)
カタログ&ブックス│2010年11月
展覧会カタログ、アートにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。
光を彩る、色が輝くーLEDと創造力が出会うとき
本書はLEDの普及に伴い、LEDをどのように利用していくかについて、デザイナーや建築家、アーティストなど様々な人たちの提案、発言を集めたもの。蛍光灯のような単に部屋の中を明るくするためのものではなく、LEDの光の表現によって、どのような効果や、発展を行なうことが出来るかを考える一冊。
芸術表象コンセプトブック アート・プラットフォーム
アーティスト、批評家、研究者、教育者、キュレーター、プロデューサーがそれぞれの立場から、現代のアートをどのよう捉え、どう教育するかについて模索を行なう。アートを取り巻くさまざまな立場からの言及によって、アートを教える人やアートに関わる人にアプローチし、何かを問いかける一冊。
領分
東京で生まれ育った写真家齋藤誠一が、東京のまちで、中判カメラに白黒フィルムという正統派の機材をもちい、不思議な瞬間を撮り歩いていく写真集。中谷礼仁、高梨豊の文章も掲載。
casuistica Naoki Iijima Works 1985-2010
ファッション業界とともに80年代から走り続けてきたインテリアデザインナー飯島直樹の仕事の全貌を55の代表作とエッセイ、対談、批評とともに綴られた一冊。
建築家の言葉
エクスナレッジから出版されている建築雑誌「X-knouwledge HOME」から抜粋した建築家の名言集。建築とは、建築家とは、住宅とは、都市とは、など建築に関する簡単なカテゴリーから、近代の建築家の巨匠や現代の建築家たちの言葉を紹介。
Struggling Cities: from Japanese Urban Projects in the 1960s
2010年10月から上海で行なわれる、Struggling Cities: from Japanese Urban Projects in the 1960sのカタログ。丹下健三による「東京計画1960」や「メタボリズム」など日本の60年代に考えられた都市計画を模型や図版を用いて紹介。言語表記は英語。
2010/11/15(月)(artscape編集部)