2019年10月15日号
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artscapeレビュー

プレビュー:上杉満代+黒沢美香+堀江進司『東京ロケット』/黒沢美香&ダンサーズ『「虫道」work in progress』/『ファッションと身体と振付家』

2011年08月01日号

[東京都]

今回で10回目となる「吾妻箸ダンスクロッシング2011」(8月19日~8月21日@アサヒ・アートスクエア)が必見なのは間違いないのですが、先日の山賀ざくろとのデュオでも圧倒的な存在感を示していた黒沢美香の公演にぜひ注目していきましょう。
 まずは8月9日~10日に日暮里d-倉庫にて上杉満代、堀江進司と共演する『東京ロケット』。本作のためのインタビューのなかで「私にとってのロケットは、正直、憧れ、やる気が空回りする明るさです」と言う黒沢。「空回り」なんて表現、いかにも彼女らしいという気がするのだけれど、けっしてネガティヴなニュアンスを受けとる必要はなくて、むしろスリリングな場になることを期待したくなる発言です。ぼくは、即興のダンスにはどんなことができるのか、なんて問いを抱きながら見てみようと思います。8月14日には同じ日暮里d-倉庫で黒沢美香&ダンサーズ『「虫道」work in progress』が上演予定。こちらのほうは19人の大群舞。11月に行なわれる本公演『ミニマルダンス計画2:「虫道」──起きたことはもとにもどせない』の凝縮版らしいです。あと8月10日にはダンサー川野眞子に3人の振付家(黒沢のほかに森下真樹、山田せつ子)が振り付ける『ファッションと身体と振付家』(@アサヒ・アートスクエア)というイベントでも作品を発表するそうで、なんだか8月の東京はちょっとした「黒沢美香祭り」です。
 ぼくは初めて黒沢の舞台を見てからというもの、ほぼ毎回、黒沢が舞台に立っているだけで「ただごとではないなにかが起きている」と思わされてきました。そしてある日から、その「ただごとでないなにか」が舞台に起こることを「ダンス」と呼んでみることにしょうと決めました。そうすると「ダンス」なるものもまたこの世のあらゆる運動(パフォーマンス)もなんだか違った風に見えるようになってきました。黒沢のダンスをひとつの尺度にして世界のあらゆる運動(パフォーマンス)を見る、そんな遊びをこの8月は皆さんに提案してみたいと思います。

2011/07/30(土)(木村覚)

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