artscapeレビュー
西村陽平 展「時間と記憶」
2011年08月01日号
会期:2011/07/11~2011/07/30
GALLERY ZERO[大阪府]
平面作品数点と小立体による小規模な個展だったが、大作1点がとてもユニークだった。それは、中国の古書を解体して大きな1枚の平面につなぎ合わせ、前の持ち主が引いたアンダーラインのみを残して白く塗りつぶしたもの。とにかく線の引き方が尋常ではなく、線だけを抽出すると構成主義絵画のような画面ができあがる。主体的行為をほとんど行なわずに作品を作り上げてしまう作家の手腕に感心した。
2011/07/11(月)(小吹隆文)