2019年10月15日号
次回11月1日更新予定

artscapeレビュー

アリス・クリードの失踪

2011年08月01日号

会期:2011/06/11

ヒューマントラストシネマ有楽町[東京都]

たった3人しか登場しないクライム・サスペンス。誘拐犯の男2人組みと、誘拐された女が、それぞれを騙し、騙されながら二転三転する物語の展開がたいへん小気味よい。映画というより戯曲の印象が強いという点では、タランティーノの映画『レザボア・ドッグス』というべきか、あるいは3人だけの応酬で物語を綴るという点では、中江兆民の『三酔人経論問答』というべきか。いずれにせよ、三人寄れば文殊の知恵というわけではないが、少なくとも3人そろえば世界は成立するのではないかと思わせるほど、よくできた物語映画である。

2011/06/29(水)(福住廉)

2011年08月01日号の
artscapeレビュー

文字の大きさ