artscapeレビュー
美術の中のかたち─手でみる造形 桝本佳子 展 やきもの変化
2011年08月01日号
会期:2011/07/16~2011/11/06
兵庫県立美術館[兵庫県]
美術品に手を触れられる、兵庫県立美術館恒例の小企画展。今年は陶芸作家の桝本佳子をフィーチャーした。桝本は、陶芸界で行なわれている「写し」(過去作品のコピー)に着目し、兵庫陶芸美術館所蔵の古陶(それ自体も「写し」)をモデルに「写し」を制作、そこからさらに着想を広げて新作を作成し、「写し」が繰り返されることでフォルムや装飾が元々の意味を失っていく過程を明らかにした。陶器は本来が実用品であり、触れて使用するものなので、この企画には馴染みが良い。割れる危険を承知で出品を快諾した桝本には拍手を送りたい。また、彼女の過去の作品にも「写し」が重要な要素として織り込まれていた事実に、今回改めて気付かされた。
2011/07/16(土)(小吹隆文)
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