2019年10月15日号
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artscapeレビュー

山下菊二 展

2011年08月01日号

会期:2011/06/27~2011/07/22

日本画廊[東京都]

毎夏恒例の山下菊二展。今回は顔を描いた絵画作品18点が展示された。一口に顔といっても、人間と人間が合体していたり、人間と動物が融合していたり、山下ならではのシュルレアリスム的想像力が発揮された複雑怪奇なものばかりでおもしろい。だからといって土着的な怨念が込められたおどろおどろしさはまったくなく、全体的に明るい色彩が多かったせいだろうか、むしろ軽妙なユーモアすら感じさせるところに大きな特徴がある。山下菊二というと、社会的政治的な主題に取り組んだ硬派な印象が強いが、じっさいの絵をよく見てみると、柔軟で伸びやかな感性によって貫かれていることがよくわかる。後者によって前者に挑むという点では、山下菊二の絵は、じつは昨今の脱原発運動に見られる新しい表現形式と通底しているのである。

2011/07/16(土)(福住廉)

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