artscapeレビュー

銀座目利き百貨街2

2012年10月01日号

会期:2012.09.26~2012.10.01

松屋銀座8階イベントスクエア[東京都]

49人の「目利き」がセレクトしたさまざまな「もの」の展示即売会である。49人の参加者のうち、約半数が日本デザインコミッティーの会員で、そして残りは建築家やキュレーター等々、デザインと隣り合わせに仕事をしている人たち。それぞれが「店主」となり、コンセプトに合わせて自分の「店」に洒落た屋号を付ける。ひとりひとつ、正方形の小さな台に並べられた「商品」は、その人の作品であったり、古道具であったり、蔵書であったり、外国で買い求めた怪しげな小物であったり。量産品もあれば、手作りの作品もある。なかには義眼や、海水といった、およそ商品とは呼べないようなものまで並んでいるが、気に入ったならば基本的にすべてその場で購入できる。蚤の市のような、あるいは文化祭のような趣である。「目利き」という共通テーマはとても漠然としているが、付けられた「屋号」や並べられた「商品」からは、それぞれの「店主」の仕事、思想、アプローチの方法が浮かび上がり、ほかの「店主」のセレクションと対比されることで、それがより明確になっている。「本棚を見ればその人がわかる」ともいわれるが、書物に限らず、人がなにを選ぶのかということは、言葉や作品以上にその人について雄弁に語るものなのだ。[新川徳彦]

2012/09/26(水)(SYNK)

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