2020年07月01日号
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artscapeレビュー

どうぶつ大行進

2012年10月01日号

会期:2012/07/14~2012/09/02

千葉市美術館[千葉県]

日本美術のなかに描写された動物を見せる企画展。江戸から明治、大正、昭和、平成まで、同館の所蔵作品を中心に、200点あまりの絵画や版画、彫像、書籍などが展示された。牛馬や犬猫、鳥など、かねてから人間の暮らしに近い動物はもちろん、象やライオン、虎、龍、麒麟など、稀少な動物ないしは霊獣まで、日本美術にはこれほど多種多様な動物がおびただしく描かれていたのかと驚かされる。若冲、宗達、蘆雪、抱一から北斎、国芳、芳年、歌麿まで、一つひとつの作品に見応えがあったが、なかでも際立っていたのが、明治時代のすごろくの錦絵。雑誌の付録だったのか、それとも玩具の一種だったのか、さまざまな動物の図像を配置した画面はじつに美しく、かつ遊び心に満ちている。動物という人間にとっての他者は、純粋芸術から大衆芸術、限界芸術まで、幅広く行進していたわけだ。

2012/09/02(日)(福住廉)

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