2020年07月01日号
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artscapeレビュー

田中真吾 繋ぎとめる/零れおちる

2012年10月01日号

会期:2012/09/01~2012/09/30

eN arts[京都府]

炎を用い、その痕跡や焦げ跡を作品化する田中真吾。本展では展示室の壁面を覆う巨大な平面作品と、壁に紙をピン止めして燃やした痕跡を見せる作品、煤で描いたドローイングが出品された。会場を一見した人は、壁を焦がすことに同意したギャラリーの勇気に感心するだろう。しかし実際は、スタジオで画廊と同寸の壁面を構築し、制作後に解体して持ち込んだものである。壁画ばりの巨大な平面作品をよく見ると、画面のあちこちに胡粉の白い線が入っている。これはいままでの彼の作品にはなかった手法だ。胡粉の使用によりいままでより自由に造形が行なえるが、作品の純粋性は若干失われてしまったとも言える。新たな領域に踏み込んだ田中の、今後の展開が楽しみだ。

2012/09/08(土)(小吹隆文)

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