2020年07月01日号
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artscapeレビュー

バーン=ジョーンズ展─英国19世紀末に咲いた華─

2012年10月01日号

会期:2012/09/01~2012/10/14

兵庫県立美術館[兵庫県]

私は10代後半に、いわゆる世紀末芸術にずっぽりとはまった。最初はクリムトだったが、すぐに、シーレ、ムンク、ルドン、モロー、クノップフ、ビアズリーと、なんでもござれになった。いま思えばその理由は性的関心や恍惚感に由来するのだが、たとえ動機がよこしまでも自分の美的嗜好のルーツに世紀末芸術があるのは間違いない。バーン=ジョーンズも当時興味があった作家のひとりで、彼の作品が生で見られるならと、いそいそと美術館へ向かった。しかし、いざ作品に接すると、事前の期待とは裏腹な反応がわが身に起こった。作品に充満する濃密な美意識に負けて、胸やけにも似た気分に襲われてしまったのだ。年をとると食事の好みが変わるという話はよく聞くが、美術も同じなのかもしれない。美術展でこんな体験をしたのは初めてだ。

2012/09/02(日)(小吹隆文)

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