artscapeレビュー
2013 イタリア・ボローニャ国際絵本原画展
2013年10月01日号
会期:2013/08/17~2013/09/23
西宮市大谷記念美術館[兵庫県]
イタリアのボローニャで毎年開催される絵本の国際見本市にともなって行なわれる、コンクール(原画)の入選作を集めた展覧会。今年のエントリーは64カ国/3,000名を超えてこれまでで最大規模となり、24カ国から77名(そのうち日本人は16名)が入選作に選ばれた。応募要件は、「5枚一組のイラストレーション」であること。展示作だけをみても、使われるメディアも表現方法も作風も多種多様。フェルトの人形と模型でつくった物語世界を写真で撮影したものや、布と糸、加えてフランス刺繍にアップリケでつくられたもの、布に手描き染めをした作品等々。5名の審査員が見て判断材料としたのは、「作品の質・美的要素・独創性・物語性・内容」だという。さらなる選考基準は、「5枚のイメージがひとつの組となって物語を視覚的に表現していること」「イラストレーターが読者に情報とアイディアを伝えていること」。これは「イラストレーション」という言葉の意味をよく表わしていよう。また、特別展示「ボローニャ発世界へ──絵本作家たちの挑戦」では、同見本市への入選を通じて活躍中の21名の日本人作家の原画が展示されるとともに、それが大量に複製された媒体であるところの消費物たる「絵本」も手に取って読むことができる。[竹内有子]
2013/09/12(月)(SYNK)