2020年09月15日号
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artscapeレビュー

村上愛 展

2013年10月01日号

会期:2013/09/17~2013/09/22

GALLERY はねうさぎ[京都府]

ぐにょぐにょとした有機的な形態が結合・連鎖し、ひとつの物体を形づくっている。村上愛の陶オブジェだ。彼女は事前にプランを練ることなく、土をひねるうちに見えてきた形をひたすら追い求めている。ディテールを観察すると、そこには植物、鳥、菌類、四足の獣、正体不明の生物らしきものが見える。多様な生命が息づく個にして全の世界。それはまるで森や珊瑚礁のようではないか。そしてもうひとつ忘れてはならないのが、連続する曲線と不安定な形態を支える構造の確かさと焼成技術、そして全体を破綻なく(いや、破たんの連続と言うべきか)まとめ上げる構成力の高さだ。本展では3点が出品されたが、もっと多くの作品で床と壁面が埋め尽くされる様子を見てみたい。それこそ森の中や珊瑚礁の海に包まれるような感覚が得られるのではなかろうか。

2013/09/17(火)(小吹隆文)

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