artscapeレビュー

第7回恵比寿映像祭『極地征服』『ワールドフェア』『ストーリーテラー』

2015年04月15日号

会期:2015/02/27~2015/03/08

ザ・ガーデンホール[東京都]

スクリーニング上映の「懐かしい未来」では、メリエスの『極地征服』(1912)と万博アニメのフライシャー『ワールドフェア』(1938)が面白い。わざわざ100年前の作品をいま見るだけあって、いずれもCGや特撮に見慣れたわれわれにとっても十分な強さがある。逆にいまある作品で一世紀後に見るのは一体何になるだろうか。ニコラ・プロヴォストの『ストーリーテラー』は、あいちトリエンナーレ2013とは違うタイプの作品で、ラスベガスの夜景を鏡面のように二重化するシンプルな加工を加えただけで、異世界の感覚を生み出す。自然がない、究極の人工的な景観だけでつくられた都市だからこそ可能な万華鏡のような効果である。

2015/03/08(日)(五十嵐太郎)

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