artscapeレビュー
限界芸術百選プロジェクト#2 関係性の美学
2015年04月15日号
会期:2015/11/15~2015/03/29
まつだい「農舞台」ギャラリー[新潟県]
芸術と日常を往還する限界芸術、その限界芸術と現代美術の関係性を探り出そうというプロジェクト。昨年の「田中みずき銭湯ペンキ絵展」に続く第2弾は「関係性の美学」だという。ん? どこかで聞いたことあるようなタイトルだけど、いわゆるコミュニケーションを重視する観客参加型アートはお呼びでなく、先の限界芸術と現代美術の関係性に親子の関係性も重ね合わせたものだそうだ。だからチラシのヴィジュアルも親子丼……。出品は、毎日自画像を描いたり新聞紙を丸ごと写生したりする吉村芳生と、その跡を継いで細密画を描いてる息子の大星くん、光や音を素材とするメディアアートを手がける小野田賢三と、日本のアーティスト100人を紹介するフリーペーパーを手書きで制作している息子の藍くん、ミシンの部品の製造業を営む西尾純一と、ファッションを媒介に内外でアートプロジェクトを展開する息子の美也くん。いちおう吉村と小野田は父が、西尾は息子がアーティストとして認められているが、限界芸術と現代美術は下克上の世界、いつ逆転するかわからない。
2015/03/07(土)(村田真)