artscapeレビュー

さいたまトリエンナーレ2016 開催計画発表会

2015年04月15日号

会期:2015/03/25

国際交流基金JFICホール[東京都]

来年秋(2016/9/24-12/11)さいたま市内数カ所で「さいたまトリエンナーレ2016」が開かれる。ディレクターは別府の「混浴温泉世界」などを手がけた芹沢高志、テーマは「未来の発見!」というもの。なにをいまさらトリエンナーレだが、目指すところは「ソフト・アーバニズム(柔らかな都市計画)」。国際展という打ち上げ花火を上げて観客を呼び込むのではなく、街の営みに創造性を吹き込み、人々に開かれた祭典にするためにさまざまなアートプロジェクトを展開していこうというのだ。そのため内外からアーティストを招いて滞在制作してもらい、ここでしか実現できない作品をつくってもらうという。それは理想的だが、いうはやすし。さいたま市の予算が使われる以上(ほかの国際展と遜色ない額とのこと)それなりの観客動員が求められるはずだが、京都の「パラソフィア」がそうだったように、見て楽しめるアートプロジェクトなどほとんどないし、アートプロジェクトで人を集められるとは思えない。それを見越してか、総合アドバイザーの加藤種男氏は「動員目標は掲げず、むしろつくる側を増やしたい。10万人くらい」と発言。つくる側とはもちろんアーティストだけでなく協働する市民も含めてだが、ぜひ実現してもらいたい。

2015/03/25(水)(村田真)

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