artscapeレビュー
陸にあがった海軍──連合艦隊司令部日吉地下壕からみた太平洋戦争
2015年04月15日号
会期:2015/01/31~2015/03/22
神奈川県立歴史博物館[神奈川県]
副題にあるように、慶応大学日吉校舎の丘の下に地下壕が掘られ、海軍司令部が使っていたという。ぜんぜん知らなかった。その地下壕から発掘・発見された司令部の備品や遺品を中心に、戦前の日吉周辺の地図や航空写真、地下壕の平面図、神風特攻隊の写真や零戦の部品、遺書、戦艦大和の模型、横浜大空襲の資料など200点近くを展示。日吉の地下壕はそそられるテーマだが、それだけでは地味な展示になってしまいそうだからか、本題から外れたものまで集めて第2次大戦全般を振り返っている。ちょうど敗戦70年でもあるし。連合艦隊司令長官の東郷平八郎を型どおり三笠艦上に描いた東城鉦太郎の《三笠艦橋の図》や、特攻隊出撃前らしからぬのどかな風景の御厨純一《神風特別攻撃隊「敷島隊」出撃の図》など、戦争画も何点か出ていた。ぼくが行ったのは最終日で、おまけに学芸員による展示解説と重なったためずいぶん混んでいて、珍しくカタログも売り切れていた。
2015/03/22(日)(村田真)
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