artscapeレビュー
富士定景─富士山イメージの型
2015年04月15日号
会期:2015/01/17~2015/07/05
IZU PHOTO MUSEUM[静岡県]
IZU PHOTO MUSEUMの富士定景展がいい。日本で最も多く被写体となった富士山の写真をたどるが、山は同じでもまわりの人や風景が変化する。第一部が明治期の海外からのまなざしなどのイメージ、第二部が阿部正直博士の気象研究。特に日本側と米軍側、おのおのからの戦争と富士山の写真が印象的。5年ぶりのIZU PHOTO MUSEUMだが、アーティストの杉本博司のデザインは、やはり建築家の設計と違うという感じは変わらない。建築の場合、全体の空間を統合する論理的な一貫性を重視すると思うのだが、IZUは、それと別の感覚が働いている。建築的か、どうかの分かれ目のひとつだ。
2015/03/13(金)(五十嵐太郎)
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