2019年09月01日号
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artscapeレビュー

青木孝子展

2010年08月15日号

会期:2010/07/01~2010/07/30

日仏会館エントランスホール[東京都]

荒目の麻布に波涛か岩肌を思わせるマチエールをつくり、そこに色彩を施した絵画。情感あふれる抽象という意味では20世紀、いや昭和の残り香がする。ところで、今日見た個展は3本とも女性作家で、世代も30~50代とバラけているが、その最年長が今年56歳になる青木さん。なぜ知ってるのかといえば、彼女はぼくと美大の同級生だったからだ。ごめんね年をバラして。で、なにをいいたいのかというと、年齢が上がるほど作品の性差が感じられなくなるということだ。誤解を恐れずにいってしまえば、3人のうち最年少の泉イネは女性でしか考えないようなことを思いつき、いかにも女性らしい絵を描くが、青木の絵は作者が男だといわれても納得してしまうだろう。青木が男っぽいということではなく、彼女が絵を学んだのは男が圧倒的多数を占める時代であり、だから男の感性を基準にするしかなかったのだ。ところがいまは時代が変わり、美大では女性が圧倒的多数に逆転したので、男性画家の絵が女性らしくなったといえるかもしれない。

2010/07/07(水)(村田真)

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