2020年06月01日号
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artscapeレビュー

2015年11月15日号のレビュー/プレビュー

「GEHRY×FUTAGAWA」展

会期:2015/09/19~2015/11/08

GA Gallery[東京都]

GAギャラリーの「GEHRY×FUTAGAWA」展へ。信頼関係にある建築写真家がとらえた巨匠ゲーリーの作品の数々である。特に表面の素材感やテカリが抜群によくわかる。おそらく、これは模型では伝えることが難しい要素であり、光を映す写真ゆえの表現だろう。一方、同時開催していたSANAAの「KAZUYO SEJIMA STUDY MODELS」展は、大量の模型ならではの企画である。雑誌の図面を拡大したような展示ではなく、こういうのをここで見たかった。

2015/10/19(月)(五十嵐太郎)

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パリ─フォンダシオン ルイ・ヴィトン建築展「フランク・ゲーリー」

会期:2015/10/17~2016/01/31

エスパス ルイ・ヴィトン 東京[東京都]

ルイ・ヴィトン表参道エスパスにて、「フランク・ゲーリー パリ-フォンダシオン ルイ・ヴィトン建築展」へ。パリに新しく建設されたヴィトン財団だけに絞った企画の巡回である。晴天の日、白い会場に入ると、オブジェのような作品が並び、一目見てああ美しい空間だと感じる。数多くのスタディ模型やインスタレーションから、ゲーリーの類い稀なる造形力に感服する。ともあれ、3つのゲーリー展が東京で同時に開催されたのである。

2015/10/19(月)(五十嵐太郎)

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こまつ座公演「マンザナ、わが町」

会期:2015/10/03~2015/10/25

紀伊國屋ホール[東京都]

太平洋戦争時のアメリカにおける日系の強制収容所に関心があり、井上ひさし作「マンザナ、わが町」(紀伊國屋ホール)を観劇。個性的な5人の女性が、ぶつかりながら、マンザナ(マンザナー強制収容所:第二次世界大戦中に日系アメリカ人が収容された収容所のひとつ)を紹介する劇を練習する物語である。その過程で、日本人やアメリカとは何か、そして中国への態度が議論される。ひとつの正義に収束せず、最後に希望的なヴィジョンを導く。

2015/10/19(月)(五十嵐太郎)

フランク・ゲーリー展──I Have an Idea

会期:2015/10/16~2016/02/07

21_21デザインサイト[東京都]

グッゲンハイム美術館ビルバオの設計で一躍世界的に知られるようになった建築家、フランク・ゲーリーの展覧会。なんでこんなに歪んでるの的な彼のデコン建築がどのように発想され、どんなプロセスを経て固まっていくのかを、ドローイングやマケット、言葉、映像などで紹介している。特に初期の段階のマケットは、紙、布、木片、金属、ガラスなどさまざまな素材を用いて、あらゆる形態の可能性を試しているように見える。これほど自由に発想し、それを実現できるのはコンピュータあってのことだろう。複雑な曲面をもつ建築の設計も建材の成形も、コンピュータの進歩がなければ不可能だったに違いない。そのため彼は設計ソフトを開発する会社ゲーリー・テクノロジーズを設立したほどだ。彼の建築のほとんどが90年代以降に実現するようになったのはそのためだ。これはザハ・ハディドも同じだろう。余談だが、彼は89年に建築界のノーベル賞といわれるプリツカー賞を、92年に高松宮殿下記念世界文化賞をそれぞれ受賞しているが、調べてみると、プリツカー賞を受賞した建築家の多くが数年後に世界文化賞を受賞していることがわかる。ゲーリーのほか、J・スターリング、R・マイヤー、丹下健三、O・ニーマイヤー、A・シザ、槇文彦、安藤忠雄、N・フォスター、R・コールハース、ヘルツォーク&ド・ムーロン、Z・ハディドと12人にのぼる。逆に、世界文化賞の受賞後にプリツカー賞を受けた者は6人しかいない。世界文化賞は功成り名を遂げた者に贈られるダメ押し賞かい。

2015/10/19(月)(村田真)

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東京ミッドタウン・アワード2015受賞作品展示

会期:2015/10/16~2015/11/08

プラザB1F展示エリア[東京都]

デザインとアートの2分野のコンペ。場所柄なのか、圧倒的にデザインコンペのほうがおもしろい。今年のデザインのテーマは「おもてなし」。羽根に国旗を印刷し、その国の言葉を話せる人が身につける「ことはね」、プチプチに浮世絵を印刷して包み紙にした「浮世絵プチプチ」、横書きしかなかったレシートを縦書きにした「縦書きレシート」、その上に載せればスマホや携帯に充電してくれる「充電ざぶとん」などがある。グランプリは「ことはね」(吉田貴紀+栗原里菜)、準グランプリは「浮世絵プチプチ」(でんでんたますこ)。アートはテーマなしで、ありえない超高層ビルを真上から俯瞰して描いた田島大介の《五金超大国II》や、ロッカーを地下室に見立てて小さな階段をつけ、奥に外の風景写真を貼った上坂直の《東京的遭遇:六本木》がようやく合格圏。あとは色やかたちの新奇さを狙った程度の作品だった。案の定、グランプリは田島で、準グランプリは上坂でした。

2015/10/19(月)(村田真)

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