artscapeレビュー

異郷のモダニズム─満洲写真全史─

2017年07月15日号

会期:2017/04/29~2017/06/25

名古屋市美術館[愛知県]

1920年代の櫻井一郎は、伊東忠太のアジアへの冒険の延長と言うべき写真である。そして1920年代末の淵上白陽による写真は、他者をロマン化する絵画主義で美しい。が、1930年代にこうした傾向が否定され、官僚主導によるステレオタイプ化したカッコよく、理想郷的なプロパガンダの写真に変化する。かつて政治が視覚表現を支配した歴史を確認できる内容だった。

2017/06/04(日)(五十嵐太郎)

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