2021年12月01日号
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artscapeレビュー

海野厚敬 展「the right」/「the left」

2013年11月01日号

会期:2013/10/01~2013/10/06

「the right」:ギャラリー恵風、「the left」:ギャラリーヒルゲート[京都府]

具体的な情景を描くのではなく、かといって抽象画でもない。図柄やモチーフの質感をコントロールすることで、兆しや気配といった感覚的な領域を描き出すのが海野の特徴だ。近年の彼は創作意欲が爆発的に加速しており、本展でも2つの画廊の3フロアを使用して何とか作品を収容した。これでもまだ空間的に十分とは言えないが、画業の充実ぶりは観客にも十分伝わったはずだ。おそらく彼は、画家として最初のピークを迎えている。このタイミングで美術館クラスの空間を与えてやれば、更なる伸びが期待できるだろう。近々にその機会が訪れることを期待している。なお、一見意味深な展覧会タイトルには、実はさほど深い意味はないらしい。ならば単純に「海野厚敬展」としておくべきではなかったか。

2013/10/01(火)(小吹隆文)

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