artscapeレビュー

アートアワードトーキョー丸の内2015

2015年09月15日号

会期:2015/07/31~2015/08/09

丸ビル1階マルキューブ[東京都]

全国の美大の卒業生・修了生による選抜展「アートアワードトーキョー」、毎年5月に丸の内の行幸地下ギャラリーで行なわれていたが、今年は丸ビル1階に会場を移し、真夏の開催となった。行幸地下ギャラリーは、長さ100メートルくらいある通路の両側のショーウィンドウをギャラリーに見立てた空間で、もともと人通りは少ないし、ショーケースのなかにお行儀よく並んだ現代美術を見ていくのはあまり気分のいいものではなかった。今回は雑踏のなかのオープンスペースに仮設壁を立てて展示しているため、狭くなったけれども多くの人の目に触れ、作品を間近に見ることもできる(その分リスクも増すが)。作品は絵画が大半を占めるが、ただ絵画だけの展示はむしろ少なく、映像や立体と組み合わたインスタレーションが多い。こういう展示はあまり感心しないけど、抽象画と色を塗った木の枝を組み合わせた宇都宮恵(東京藝大)の作品は成功している。個人的には会場の隅っこに囲いをつくって資材置き場みたいにし、目立たないように絵画を飾った川角岳大(愛知芸大)のインスタレーションが好みですが。

2015/08/06(木)(村田真)

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