artscapeレビュー

『都市を読む──東京2008』

2009年08月15日号

2008年に法政大学の陣内研究室を中心に行なった学生によるワークショップの成果とエッセイをまとめた冊子である。2008年の東京を題材として、多国籍文化の池袋─大久保、ストリートが注目される渋谷─谷中、TV局を含む都市再開発を経験した赤坂─新橋、オタク文化の秋葉原─中野のフィールドワークが行なわれた。テーマに沿って、2つのエリアを比較するという手法が興味深い。対象によって分析のスタイルも変えている。以前、五十嵐研の学生も修士設計のために、中野ブロードウェイを調査していたが、ここでもとりあげられており、改めて不思議な空間だと思う。またエッセイでは、フィールドワークそのものがテーマになっており、さまざまな学生の生の声をきくことができる。

2009/07/31(金)(五十嵐太郎)

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