artscapeレビュー
レオナール・フジタ展
2009年08月15日号
会期:2009.06.12~2009.07.21
そごう美術館[東京都]
再発見された4点の幻の大作を目玉に、昨年「レオナール・フジタ展」が全国を巡回したが、これも同じかと思ってのぞいたら、壁画を中心に再編成されたものだという。乳白色の地に面相筆による繊細な線描を売りとするフジタには、勇ましい壁画の大作は似合わないが、これが契機となってのちの戦争画や戦後の教会のフレスコ画にいたるとすれば、画家の生涯にとってきわめて重要な作品に位置づけられる。結果的に成功したにせよ失敗したにせよ、人気の高い乳白色の画面を打破しようとした点に、フジタの不屈の画家魂を見てとることができる。
2009/07/02(木)(村田真)
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