artscapeレビュー
岡本敏子『自分を賭けなきゃ。』
2009年08月15日号
発行所:イーストプレス
発行日:2009年7月
2005年に亡くなった岡本敏子の言葉を収録した本である。ページをめくると、まず最初に「もっと自分をさらさなきゃ。何も始まらないわよ」というメッセージと出会う。岡本敏子さんには、生前、シンポジウムや展覧会などで、幾度かお会いしたり、食事も一度ご一緒させていただいたことがある。「バカなこと言うんじゃない! こういうものは勢いよくトントントンってやらないでできるわけがないでしょ!……太郎さんはいつもそうやってきたんだから。とにかくやっちゃいなさい」。僕の名前も「太郎」だと言われた記憶がよみがえってきた。「いのち燃えつきるまで 元気に 明朗に そしてぽろんと倒れたい」。力強い言葉を読みながら、敏子さんの笑顔が鮮やかに思いだされる。とにかく元気をくれる本だ。なお、本書は岡本太郎記念館館長の平野暁臣によって編纂された。
2009/07/31(金)(五十嵐太郎)