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artscapeレビュー

北斎──風景・美人・奇想

2012年12月15日号

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会期:2012/10/30~2012/12/09

大阪市立美術館[大阪府]

今日は阪神日帰りの旅。まずは天王寺の大阪市立美術館へ。なぜ大阪で「北斎展」なのかというと、200年前の文化9(1812)年に北斎が大坂を訪れたという説があるからだ。いわば来坂200周年記念(+主催の読売新聞大阪発刊60周年)。当時『北斎画式』という絵手本が大坂で出版されたり、北洲や北敬といった大坂の絵師たちが弟子入りしたらしい。今回は《富嶽三十六景》をはじめとする風景画、肉筆も含めた美人画、妖怪や漫画などの奇想画を3本柱に、大坂と北斎とのつながりを示すコーナーも設けられている。とはいえ浮世絵版画は見慣れたものばかりだし、サイズも思ったより小さく、また作品保護のため照明も落とされているので早足に通りすぎ、肉筆画のところで足を止める。なかでも同館所蔵の重要文化財《潮干狩図》は、江戸絵画には珍しい遠近感で細密に描かれ、斬新な技法表現も採り入れられていて、驚くほどモダン。思うに北斎という画人は、関西人には悪いが、応挙の写生力と若冲の奇想と蕭白の衒気性を足しても足りないくらい巨大な存在だ。いきなりこんなヘヴィーなもんを見せられると先が思いやられる。ちなみに出品点数243点、展示替えを含めた作品総数は378点にものぼる。1時間ほどで退散。

2012/11/02(金)(村田真)

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