2017年08月01日号
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artscapeレビュー

中原浩大「ドローイング1986-2012 コーちゃんは、ゴギガ?」

2012年12月15日号

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会期:2012/09/22~2012/11/04

伊丹市立美術館[兵庫県]

JRで伊丹へ。なぜ伊丹で中原浩大のドローイング展なのかといえば、最初期の1986年の手と足のドローイングを伊丹市立美術館が所蔵しているからだ。その1986年から2012年の新作まで数百点の展示。といっても、この4半世紀のうち1996年から2004年まで10年近くがすっぽり抜けている。中原が登場したのは80年代前半だが、90年代なかばからフェイドアウトしていき、その後たまに写真作品が発表されたりするものの現在にいたるまで「復帰」した観はない。けれど2005年ごろからドローイングは描いていた。したがってタイトルに「1986-2012」とあっても中間が抜けているのだ。また、数百点といっても、ドローイングの描かれた紙1枚ずつを額装して展示するだけでなく、スケッチブックも含めて10点前後展示している陳列ケースもあり、バラせば何点になるかわからない。というより、そもそも中原のドローイングは1点1点独立した作品として数えるべきものだろうか。たしかに彼のドローイングはヴァリエーションに富んでいるけれど、むしろそれゆえに全体でひとつのドローイングを形成しており、1点1点はいまだ全貌がつかみきれない大きなドローイングの部分にすぎないと考えたほうが納得しやすい。これはある程度だれの作品にもいえることだが、とりわけ中原のドローイングに当てはまる気がする。

2012/11/02(金)(村田真)

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