2017年06月15日号
次回7月3日更新予定

artscapeレビュー

大岩オスカール──Traveling Light

2012年12月15日号

twitterでつぶやく

会期:2012/11/14~2012/11/26

渋谷ヒカリエ8階キューブ[東京都]

オスカールが東京都現代美術館で個展を開いたのは2008年というから、4年ぶりに見る新作展だ。作品は(本人も)ぜんぜん変わってない。マンネリに陥るのでも自己模倣にハマるのでもなく、ひたすら描き続けているらしい。相変わらず東京ともニューヨークともサンパウロともつかない都市や郊外やジャングルの風景に、判じ絵やダブルイメージなどの遊び心を加えて寓意性を高めているが、同時に、いやそれ以上に色彩と筆触の醸し出す絵画性にも注目したい。たとえば、都市の片隅や森林の枝葉など主題から外れた部分の描写。彼はそんなどうでもいいような細部を義務的に処理するのではなく、むしろ中心主題より画面の端っこにこそ描く喜びが宿るといわんばかりに奔放に筆を走らせる。それが鑑賞者にも伝わるから見ていて楽しいし、そこにオスカールの真骨頂があると思う。

2012/11/14(水)(村田真)

▲ページの先頭へ

artscapeレビュー /relation/e_00005717.json l 10066479

2012年12月15日号の
artscapeレビュー

文字の大きさ