2024年03月01日号
次回3月18日更新予定

artscapeレビュー

大屋和代 個展

2012年12月15日号

会期:2012/11/20~2012/11/25

ギャラリーモーニング[京都府]

大屋和代の個展。大学では彫刻を学び、これまではおもに、収集した の抜け殻や、種子、種などをブロンズや真鍮で鋳造した作品を発表していたのだそう。今展には、そのような鋳造の小さなオブジェに紙や糸などを組み合わせた作品が展示されていた。エンボスされた紙の隅にドングリの殻斗(帽子の部分)の鋳造オブジェを配したもの、原稿用紙のところどころに糸を縫い付けフレームに収めた作品、小さな虫が這った跡と飾り紐の水引をモチーフにした作品など、自然が生み出すかたちに、音楽のようなリズミカルな要素をさりげなく加えた作品はどれも美しく、見ていると言葉のイメージも膨らんで連想が掻き立てられる。詩的な趣きとそのあじわいのおもしろみが印象に残る展覧会。


大屋和代《十を聞いて一を知る》

2012/11/25(日)(酒井千穂)

2012年12月15日号の
artscapeレビュー

文字の大きさ