2017年10月15日号
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artscapeレビュー

館勝生 展

2012年12月15日号

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会期:2012/10/12~2012/11/04

ヨシミアーツ[大阪府]

通天閣のふもとで昼飯食って、笹部画材で絵具を買ってヨシミアーツへ。3年前、44歳の若さで亡くなった画家の遺作展。館(たち)さんとは20年ほど前に東京や京都で何度かお会いしたが、当時は植物の芽か虫の羽根のような形態を、濃緑色を中心に炸裂するようなタッチで描いていた。その後もたびたび個展の案内状をいただき、気にはしていたものの見ることがかなわず、どのように作品が展開していったのか知らなかった。今回、亡くなる前年(すでに癌が進行していた)の作品を見て、描かれているものは大きく変わっていたけれど、まぎれもなく館さんの絵であることが了解できた。どれも画面の左上のほうに(右利きだったら描きにくいはず)、飛沫が飛び散るくらい鉛筆と絵具でグリグリ塗りたくった絵。これは絵を描くというより、なにか印さざるをえないような衝動に突き動かされて腕を振り回した痕跡というべきだ。これ以上どう展開できただろうか。もはや展開する余裕も余地もないことを知ってて描いたんだろうか。

2012/11/02(金)(村田真)

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