毎月1日、15日号発行の美術館・アート情報をお伝えするWebマガジン(次回5月15日更新予定)

artscapeレビュー

2017年04月15日号のレビュー/プレビュー

草間彌生 わが永遠の魂

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会期:2017/02/22~2017/05/22

国立新美術館[東京都]

初期から制作意欲が衰えない現在までを一気に見せる。さすがにほとんどの作品は知っているので、過去のインスタレーションによる展示を再現した空間がよかった。彼女の基本的なスタンスは変わらないが、初期の日本美術特有の暗さが、ある時期から吹っ切れて、明るくなったことにより、世界的な作家に飛躍したことがわかる。

2017/03/15(水)(五十嵐太郎)

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アート+コム/ライゾマティクスリサーチ 光と動きの「ポエティクス/ストラクチャー」

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会期:2017/01/14~2017/03/20

NTTインターコミュニケーション・センター[ICC][東京都]

メカニカルな光のダンスが楽しめる。吉岡徳仁がマテリアルの自然/性質を引き出すのに対し、タイトルどおりの内容であり、デジタル技術を用いた光の表現の現在を示す。かといって、オラファー・エリアソンのような科学アートとも違う。

2017/03/15(水)(五十嵐太郎)

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白蟻の巣

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会期:2017/03/02~2017/03/19

新国立劇場 小劇場 THE PIT[東京都]

谷賢一演出「白蟻の巣」@新国立劇場。光を劇的に扱った演出が美しい。三島由紀夫の戯曲だが、構造と寓意を組み込んだすごい作品である。異国に移住した2組の夫婦のX関係を軸に、死と生、敗戦後の日本とブラジル、赦しと残酷が、複雑なポリフォニーを奏でる。もう60年前に書かれた作品だが、まったく古さを感じさせない普遍的な価値を持った古典と言うべきか。また、三島の最期にもつながる内容だ。

2017/03/15(水)(五十嵐太郎)

野村浩「Doppelopment」

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会期:2017/03/11~2017/04/22

POETIC SCAPE[東京都]

次々に新しいアイディアを思いついて、観客を楽しませてくれる野村浩。今回、東京・目黒のPOETIC SCAPEで開催された新作展でも、ユニークなシリーズを発表した。
一見、女の子たちを撮影した普通のスナップ写真なのだが、よく見ると、女の子の顔かたちや服装が同じなので双子なのだということがわかる。でも、どこか違和感がある。写真を見ているうちに、じわじわと野村の意図が呑み込めてくる。このシリーズは、一人の女の子を、少し場所をずらして撮影した画像を合成した「偽スナップショット」なのだ。じつは、野村は二卵性の双子の片われなのだという。今回の作品が、その出自から発想されたものであることは間違いないが、それにしてもうまくできている。自宅だけでなく、近所の公園、運動会、お祭りなどで撮影されているのだが、それらの場所とタイミングの設定が絶妙なのだ。スナップショットの撮り手としての能力がよほど高くないと、なかなかこれだけのクオリティを備えた写真を揃えるのはむずかしいのではないだろうか。見ていて、牛腸茂雄の『SELF AND OTHERS』(1977)のなかの、あの印象深い双子の女の子たちの写真を思い出した。むろん、そのあたりも充分に計算済みのはずだ。
タイトルの「Doppelopment」というのは野村の造語で、自分の分身を見る幻覚=「Doppelgänger」と、写真の現像を意味する「Development」を組み合わせている。このあたりのネーミングのセンスのよさも野村ならではだ。なお、展覧会にあわせて、写真集『Doppelopment Hana & Nana / Another daughter in the photos』(プリント付きの限定20部特別エディションあり)も刊行された。

2017/03/16(木)(飯沢耕太郎)

金氏徹平展 記号は記号ではない

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会期:2017/03/11~2017/03/30

上野の森美術館ギャラリー[東京都]

10年前に「VOCA展」に出品した金氏の個展。VOCA賞や奨励賞など、これまで20年余りで100人以上が受賞しているが、受賞しながら消えていった作家もいれば、金氏のように受賞しなかったけど伸びた作家もいる。そもそも「VOCA展」に一度も推薦されずに売れっ子になった作家も多いはず。今度それを検証してみたらどうだろう? 選考委員(推薦委員も)がいかに慧眼か、または節穴かがわかるはず(あ、だから検証しないのか)。余談はさておき。金氏はいくつかの作品を出しているが、なかでも目を引いたのは、色のついた液体が滴る画像を板に貼り、輪郭に沿ってカットしたものを組み合わせた作品。この液体のイメージは絵具を思わせ、それがいくつも組み合わさることで絵画を表わしているのかもしれない。床置きの立体もあれば壁掛けのレリーフもあり、2次元のイメージと3次元の物体を錯綜するトリッキーな効果を生み出している。リキテンスタイン風のユーモアとアイロニーが効いている。

2017/03/16(木)(村田真)

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