2020年07月01日号
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artscapeレビュー

[ジー ジー ジー ジー]グルーヴィジョンズ展

2011年09月01日号

会期:2011/08/04~2011/08/27

ギンザ・グラフィック・ギャラリー[東京都]

重たいガラスの扉を開けて中に入ると、新しいシナベニヤの匂い。白い絵がプリントされたベニヤ板が床に並べられ、周囲の壁にも重ねて立てかけられている。誰もいない。しまった、まだ設営中だったか、とあわてて手元のチラシで日付を確認するとそんなことはない。もう始まっている。ギンザ・グラフィック・ギャラリーの個展は1階が実験的な新作、地階が過去の作品というパターンが通常であり、今回もこれがグルーヴィジョンズの新作だったのだ。1階はたまたま無人だったが、地下に下りると数人の観覧者がいた。
 地下のL字型の展示室の床には部屋の形に合わせたL字型のベニヤの台が設置され、彼らの作品が所狭しと並べられている。チャッピー以外にも、こんな仕事も、あんな仕事もグルーヴィジョンズだったのか。スポットライトの光が当てられたシナベニヤの島に作品が浮かび上がる。壁面にはなにもない。ベニヤの上、黒い太い輪郭線に囲まれた中に、作品や、モーショングラフィックを見せるiPadが配され、ベニヤに直接キャプションが付されている。一見無秩序に並べられているかのようにみえる作品群であるが、その配置は計算されたもの。自他数々の展覧会をディレクションしてきたグルーヴィジョンズ。この展覧会も彼ら自身の企画であり、これまでの仕事を紹介する作品展でありながらも、彼らの世界、彼らの仕事をプロモーションするための優れた新作なのである。[新川徳彦]

2011/08/09(火)(SYNK)

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