artscapeレビュー
大竹伸朗展「ニューニュー」
2013年09月15日号
会期:2013/07/13~2013/11/04
丸亀市猪熊弦一郎現代美術館[香川県]
瀬戸内国際芸術祭2013の展示作品である女木小学校の《女根》、高松市美術館、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館で開催されている二つの大竹伸朗展を友人たちと巡った。はじめに行った丸亀市猪熊弦一郎現代美術館では最新作のほか、国内未発表の作品を中心にした作品が展示されているというので期待も膨らんだのだが実際に気分も興奮。吹き抜けのエントランスには巨大なボーリングのピンを使ったインスタレーション《時憶/美唄》、展示室では、ネオン管とスチールパイプなどを素材にした《時憶/雲》、タイルや便器、音響装置などが合体し、音も聞こえてくる大きな装置《焼憶》、2012年のドクメンタ13の出品作品でドイツのカッセルの森に展示されていた《モンシェリー:自画像としてのスクラップ小屋》など、こちらでは大型の作品が多く展示されていた。グワッシュを用いた新しい平面作品のシリーズ《境界色》も見応えがある。全体には展示はスッキリと整っていて、その量というよりも、大竹伸朗というアーティストの制作の過程と気概が生々しく感じられるのがとても魅力的な会場だった。
2013/08/23(金)(酒井千穂)