artscapeレビュー
瀬戸内国際芸術祭2013 アートと島を巡る瀬戸内海の四季
2013年09月15日号
会期:2013/07/20~2013/09/01
瀬戸内海の12の島+高松・宇野[香川県、岡山県]
直島へ。すごい人気の安藤ミュージアムは、外観は残しつつ、内部にコンクリートの壁を挿入しており、プンタデラドガーナの木造版だった。三分一博志さんの、直島の地域性を考慮した屋根をもち、手動で360度回転する水の上の茶室は体験としても面白い。西沢大良さんのパチンコ屋を改造したギャラリーは、静岡の教会の天井もほうふつさせる。ただ、新作に限定すると、それほど直島でまわるべき作品数は多くない。瀬戸内をまわり、ベタでもメタのレベルでも、建築博物館化の現象が起きていると思う。やはり鍵をにぎっているのは、ベネッセだ。一時的なインスタレーションではなく、建物ごとつくるわけだから、当然、お金はかかるが、世界レベルの高品質で、ちゃんと残るものを確実に蓄積していく。あいちトリエンナーレでも、こういう民間企業の関与があるとよいのだが。
写真上から、《ANDO MUSEUM》、三分一博志、西沢大良
2013/08/20(火)(五十嵐太郎)
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