artscapeレビュー

磯辺行久──環境・イメージ・表現

2013年09月15日号

会期:2013/08/03~2013/11/04

市原湖畔美術館[千葉県]

千葉県市原市に美術館ができたというので見に行く。市原市といっても広うござんして、房総半島のほぼど真ん中、内房線で五井まで行き小湊鉄道に乗り換えて約40分、高滝駅からさらに徒歩20分ほど、ダム湖の高滝湖のほとりに建っている。風光明媚といえば風光明媚だが、グーグルマップで検索すると周辺には虫食いのごとく何十ものゴルフコースがひしめいてるのがわかる。最近、近くに圏央道が完成し、西へ走ればアクアラインを通って東京、横浜、そして羽田空港と結び、北へ向かえば成田空港に出られる。この地の利を生かして来年には「中房総国際芸術祭 いちはらアート×ミックス」を開くという。また「国際芸術祭」かよ。でも北川フラムさんが手がけるのでおもしろくなるかもしれない。また「北川さん」かよ、ともいえるが。そんな計画を見据えての開館だが、じつは建物自体はバブル後に建てられたもので、今回増改築してのリニューアルオープンとなった。そのせいか、湖上にはひと味違う彫刻が立ってたりして、まあいろいろ裏があるというか、物語性にあふれた物件ではある。円弧と正方形を組み合わせたコンクリート打ちっぱなしの建築は、あまり使い勝手がよくなさそうだが、「磯辺行久展」をやってるほか、KOSUGE1-16、クワクボリョウタ、ヴィト・アコンチの作品も展示されている。「環境」が大きなテーマか? いまいち脈絡がつかめない。たしかに国際芸術祭でもないかぎり2度と行かないだろうなあ。

2013/08/03(土)(村田真)

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