artscapeレビュー

カタログ&ブックス│2013年9月

2013年09月15日号

展覧会カタログ、アートにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。

ヴィクトリア時代の室内装飾 -女性たちのユートピア-

著者:川端有子、村上リコ、吉村典子
発行日:2013年08月31日
発行所:LIXIL出版
サイズ:210×205mm、72頁
価格:1,890円(税込)

本書では、人々が室内で表現した「くつろぎ」のかたちを図版豊富に展開します。その実例として、現存するヴィクトリアン・ハウス、雑誌『パンチ』の風刺画家L.サンボーン邸の紹介をはじめ、女性たちが趣味と心地よさの表現舞台とした「ドローイングルーム(英国固有の女性主体の部屋)」を中心に、当時続々と出版された雑誌等の指南書からキーアイテムを掲載します。その他、装飾材の主要アイテムだったタイル、同時代に活躍したウイリアム・モリスの壁紙からも当時の装飾デザインの動きを追います。また、使用人など別の立場からみた室内を分析する論考も必読です。
一気にものが溢れた時代を反映した「ヴィクトリアン・コンフォート」の空間へと読者を誘います。当時の絵本からの抜粋版ミニ絵本付き。
LIXIL出版サイトより]



かじこ──旅する場所の108日間の記録

編著:かじこ管理人(蛇谷りえ、三宅航太郎、小森真樹)
発行日:2013年7月16日
定価:1,000円(税込・送料別)
サイズ:140ページ

岡山県岡山市にて古民家を活用した108日間(2010年7月16日〜10月31日)実施されたアートスペース「かじこ」の記録集。かじこの機能や活動が、「システム」「メディア」「エッセイ」の章に分けて収録されている。巻末には、かじこに訪れた参加者たちが、3年前を振り返って綴った日記を収録。


現代建築家コンセプト・シリーズ16 中村竜治 コントロールされた線とされない線

著者:中村竜治
発行日:2013年8月30日
定価:1,890円(税込)
サイズ:A5、160ページ

日常の些細なものから建築に至るまでに生じている、コントロールされたものとされないものせめぎあい。中村竜治は、ものや空間を根源的に成立させているこの2つの作用に向き合い、デザインするとはどういうことかを考える。そうした視点からつくられた30あまりの作品──小作品、インスタレーション、展覧会会場構成、商業空間、住宅──は、線を面に、面を立体に、弱さを強さに変え、構造と仕上げの境界を自由に横断する。それはときに可視と不可視の領域も行き来しながら、見る者の常識を揺さぶり、私たちの日常への繊細な感覚と喜びを呼び覚ます。バイリンガル。
LIXIL出版サイトより]

2013/09/17(火)(artscape編集部)

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