artscapeレビュー

パシフィック・リム

2013年09月15日号

会期:2013/08/09

『パシフィック・リム』を見たが凄い。日本の怪獣映画とSFアニメの歴史的遺産をアメリカが実写化している。これは日本映画の予算だとできないだろうが、勝手なアメリカナイズでなく、もとの戦後日本のサブカルチャー文化へのリスペクトも感じる。ここまで監督が好きなことをやりきったら、細かいケチをつけるのは野暮というもの。ただ、爬虫類のようになったハリウッド版のゴジラでもそう思ったのだが、「パシフィック・リム」も、怪獣の造形が着ぐるみ的なものから離れていくのは仕方ないにしても、日本とはだいぶ異なる(エヴァにおける使徒のデザインのようなエッジもない)。日本とアメリカで、どうも怪獣のイメージが違うことは興味深い。

2013/08/20(火)(五十嵐太郎)

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